第11章 空から落ちてきた天使(5)
~雅紀side~
翔「…うーーーん…」
雅「おはよー…って翔ちゃん、何してるの?」
朝目が覚めたら、翔ちゃんがキッチンで何やら唸っていた…
…まさか…
翔「…味噌汁作ってたんだけど、どうしても味が薄くなるんだよなー…何が足りないんだろ…」
うわーっ!やっぱりかー!
雅「し、翔ちゃん!まだ足が悪いんだから無理はダメだよ!後は俺がするから座ってて!」
翔「え?大丈夫だよ、これくらい…」
<~~~♪>
雅「あ、翔ちゃん電話!後の調節はしておくから!」
翔「…うん…」
…翔ちゃんが朝食作ってくれるのは嬉しいんだけどねー…
雅「…うん…やっぱり出汁が入ってないな(笑)」
味噌だけじゃ薄いよね
翔「もしもし大野です…松岡さん、おはようございます」
えっ?松兄!?
もしかしてまた翔ちゃんに女装の依頼!?
…って…こんな状況じゃそれはないよね
とりあえず俺は棚から味噌汁の材料を取り出していた
その時突然…
<ガタン!>
雅「…え?」
後ろから音が聞こえ振り向くと、電話の側で翔ちゃんが座り込んでいた
雅「翔ちゃん!大丈夫!?」
翔ちゃんの側に駆け寄ると、翔ちゃんの顔色が明らかに変わっていた
翔「…じゅ…が…」
雅「…え?」
翔「…潤…が…病院に運ばれて…意識不明…って…和也と空も…行方が…」
雅「えっ!?」
潤が…!?和と空も行方不明って…!
すると突然翔ちゃんが俺の腕を掴んで
翔「雅紀…どうしよう…潤…潤が…」
そう言ってガタガタと震えていた
雅「大丈夫!大丈夫だから病院に行こう翔ちゃん!」
俺は今にも倒れそうな翔ちゃんの身体を支えて病院に向かった