第10章 空から落ちてきた天使(4)
辺りを漂う化薬の匂い…
絨毯には夥しい血が流れた痕…
そして俺の目の前には…
和「潤…く…」
廊下に倒れ起き上がろうと動く潤くんが…
斗「…心臓を狙ったのに外されるとはな…やはりあの時俺の気配に気付いたのはお前か…」
和「潤くんっ!」
斗真くんの声に我に返り、潤くんの側に行こうとしたら腕を捕まれてしまった
和「はっ、離して!」
空「ふぎゃーーーっ!」
斗「和也…昔のよしみでお前の命は助けてやる…だが顔を見られたからには、一緒に来てもらう…」
和「離せっ!誰がお前と行くかっ!」
ダメだ!このままじゃ空くんまで…!
腕を振り払おうともがいていたら
潤「…この手を…離せ…」
和「潤くん!」
いつの間にか立ち上がっていた潤くんが、俺を掴んでいる斗真くんの腕を掴み睨み付けていた
でも潤くんの左肩は血で真っ赤に染まり、血痕が点々と落ちていた
斗「…ほう…その怪我でよく立ち上がれたな…だがこの後どうする気だ?そんなフラフラな状態で…」
潤「…和は…俺が守る…」
和「潤…くん…」
斗「・・・」
そんなになってまで…俺を守ろうとしてくれて…
潤「…っ…」
和「じゅ…!」
潤くんの身体が一瞬ぐらついたその隙に、斗真くんは潤くんの腕を払いのけ…そして…
<パシュ…!>
和「!?」
また銃声が鳴り、潤くんのお腹から血が流れ…
潤くんは力なくその場に倒れていった
和「い…嫌ーーーっ!」
俺が叫んだ瞬間、鳩尾に痛みを感じ目の前が真っ暗になった…
潤くん…大丈夫だよね…
また『和』って呼んで…抱き締めてくれるよね…