第7章 さよならは突然に
漸くジンやウォッカが居なくなったのを確認し、そろそろか?なんて思っていたが思ってもいない展開になってしまった。
まさか…バーボンが自ら彼女を抱くとは…。
事の成り行きを最後まで見守っていたが、どうやらバーボン…いや安室透は彼女を助けるらしい。
しかも組織に渡さないように提案まで持ち掛けて…。
兼ねてから彼の事は調べていたが…果たして味方なのか、敵なのか…まだ掴めないでいる。
彼は自分を恨んでいるがな。
スコッチを殺した…と思っている自分を。
少し考えに老けていたが、彼が再び彼女と事に及ぼうとしているのでそろそろ行くか、そう思い歩みを進める。
そうして彼女を奪還し、家に帰宅して…今に至る。
再び1つ大きな溜息を落とし、綺麗になった彼女に掛け布団をかけ部屋を出る。
そして自室に戻りパソコンを起動させる。
グラスにバーボンを注ぎ一口飲み、画面に映るこの酒と同じ名前の彼を見つめる。
「さて、君はどう動く」
そう呟き携帯を取り出し、1つの番号をタップし電話をかける。
数回コール音が続き、もしもし、と言う渋い男の声が聞こえた。
「もしもし、例の件だが…」
夜も更け、パソコンの画面の明かりだけの部屋に彼の話し声が響く。
それを聞くものはおらず、時間だけが過ぎていくのであった。