第7章 さよならは突然に
ドアが開けられ、再び横抱き(所謂お姫様抱っこ)されて家に向かう。
器用にドアを開けて靴を脱ぎ、階段を上がる。
どうやらこのまま部屋まで運ばれるらしい。
自室用にと用意されていた部屋を開け、ベッドに降ろされる。
あぁ、これで心置きなく休めるのか、そう思ったが、目の前には彼の影が。
つまり、自分は今沖矢昴に馬乗りされている。
どうしたのか、そう目線で訴えると、漸く彼の口が開いた。
「何度言っても貴方は自分の身を危険に晒すのがお好きなようだ。
大体話は分かっているが、弁解は後で聞くことにして…。
まずはお仕置き…だな」
そう言って沖矢昴の仮面を剥ぐ。
目の前でその光景を見るのはやはり珍しいもので、見つめているとフッと笑われた唇を奪われる。
お仕置き、らしいので優しい、よりは激しい、のが近い表現のキスで。
今のこの私の身体には刺激が強過ぎた。
『んぁっ…ふぁ…っ…んんんっーーーー!』
「ほう…飲まされた薬でここまで感度が上がるのか。
キスだけでイクとはな」
興味深そうに観察していく赤井秀一。
こっちは薬のせいでヘトヘトなのに…!
そう思い、抵抗出来ない身体の代わりに鋭く睨む。
「そんな目を潤ませて睨まれても迫力はないぞ。
可愛いだけさ…」
再び唇を奪われ、激しいキスをされる。
舐められ、吸われ、甘噛みされ…終いには何も身につけていない胸まで弄られ。
その度に数回イッてしまう身体。
私の反応を楽しんでいるのか、時折見る彼の顔は目を見開いたままで。
全部見られている、そう思うと恥ずかしいのに身体の奥が疼く感覚。