第5章 潜入デート
とりあえず時間に遅れる事は出来ないので、車が停めてある場所まで一緒に歩き、目的の場所へ向かう。
到着するまでの会話で依頼の内容についての説明をしてもらった。
どうやら依頼人の娘さんがストーカー被害にあっているらしい。
靴箱に毎朝ラブレターから始まり、移動教室やお昼休みで教室を空けると贈り物が置いてあったり、帰り道に背後からずっと人の気配がしたりなど色々怖い思いをしているようだ。
話の内容から察するに、犯人は同じ学校にいるようで
今日は色々と気が緩むであろう学園祭。
これを機に接触してくるだろうと読んだ安室さんと私が恋人になりすまし、学園祭に潜入する…と言う作戦らしい。
至ってシンプルであるが、私はどうやら本当に只の付き添いでいいみたいだ。
時々少し別行動をするので、とは言っていたが。
車を近くのパーキングに停め、少し歩くと学園祭独特の雰囲気に沢山の人達で賑わっている。
こうゆうものは久しぶりなので、私も少し気分が高まっている。
学園の中に入ろうとした時、右手に違和感を感じた。
右手を見ると、安室透に恋人繋ぎされているではないか。
「今日は僕と愛香さんは恋人…なので。
あ、それと、呼び方は透、でお願いしますね」
『えっ…と…。
と、透…?』
「ふふっ、さぁ行きましょうか、愛香」
そう言い手を引かれながら学園内に進む。
心なしか色々な人達から視線を浴びている気がするが、気にしない事にする。(気にしていたらきりがない)
しばらく散策しながら目的の人物がいる場所に向かっているようだ。
2ーBと書かれたクラスの前で脚が止まる。
見る限りここの教室では、コスプレ兼マジック喫茶をしているようだ。
コスプレしながらマジックって…凄いな←
「とりあえず、入りましょうか」
そう言い2人で中に入ると、彩カラフルな服装に身を包んだ男女がいた。
メイド服やら執事服やらチャイナやバニーちゃん…アニメキャラクターのコスプレまで様々だ。