第5章 二人の探偵
柊羽は約束の場所へ向かうため、走っていた。
迷った挙句、商売道具のパソコンも一応持っていくことにしたのでそれなりに荷物もあり負荷がかかる。
久しぶりの本格的な運動ということも祟りすぐに息があがってしまう。
時々徒歩をはさみながらも、無事にポアロにやってきた。
カランカラン_____
「いらっしゃいませ!ん?柊羽さん、ですよね?」
「あ、安室さんお久しぶりです。おはようございます!」
「はい、おはようございます!こんな早くに珍しいですね」
柊羽がいつも来店するのは10時頃。今はまだ9時を回っていなかった。
「最近運動不足気味だなぁと思って、ランニングがてら早めに来ちゃいました」
「あぁ、それで…僕もそのメーカー、好きですよ。運動してきたなら喉が渇いたでしょう?運動後はチョコミルクがいいそうですが、飲みますか?」
「それじゃあお言葉に甘えて。お願いします!」
カランカラン_____
「いらっしゃいませ!おや、コナンくんも珍しいね」
「あ、ちょっと…って柊羽姉ちゃん!もう着いてたの?」
「おはようコナンくん。久しぶりに走ってみようと思ってさ、そしたら早く着いちゃった」
「なるほど、待ち合わせされてたんですね。コナンくんもなにか飲むかい?」
「私が奢るよ」
「ありがとう!じゃあアイスレモンティーで。あと安室さん、一緒にお話聞いて欲しいんだけど、他のお客さんが来るまでいいかな?」
「あぁ、もちろん構わないよ。ドリンク用意してくるからちょっと待っててくれるかい?」
コナンの突然のお願いにも、安室は二つ返事で快諾をした。
が、柊羽は不満を口にする。
「ちょっと、安室さんにも言うなんて聞いてないけど!」
「勝手に決めて悪かったよ。でも、安室さんも探偵だし今回はいてくれた方が助かるんだ」
「………はぁ。分かったよ、新一のことだからなにか考えがあるんでしょ」
「さすが、理解が早い」
「調子に乗るな!」
そんな会話を繰り広げていると、ドリンクを持った安室が戻ってきた。
「お待たせしました。それで?話ってなんだい?」
「あのね、実は_____」