第24章 SSS キャラ×男主(―/30日更新)
★Aキャプテン・アメリカ(連載主if)
とある日の未明。シャワー終わりにリビングを通るとソファでスティーブが眠っていた。手には任務資料を握ったままのようだからそのまま寝落ちてしまったといったところか。起こすのも可哀想なくらいに深い眠りらしく、ゆったりとした息遣いが僅かに聞こえる。
(珍しいな……)
スティーブが無防備な姿をさらけ出す事は滅多にない。あんなふうに大股を広げてクタッとソファに身を預けるなんて初めて見る。興味本位で隣に腰掛けて顔を覗き込むと、眉間のシワは変わらず刻み込まれっぱなしだったが、薄く開いた唇がやはり無防備で。
(……かわいい、と言ったら怒るか)
ふふ、と笑みを噛みながら手近なブランケットを手繰り寄せて肩まで引き上げてやると少しだけ眉間が弛んだ気がした。
★LoTアトム(片恋主続き)
名前を呼ばれて部屋の入口を振り返ると声の主はコンスタンティンだった。レイを警戒していたから相手が彼じゃないと分かった途端に肩の力が抜けて『へにゃ』と頬が弛んだ。
データを机上に投げて眼鏡を外しながら近付き、名を呼び返すと彼も片手を挙げて応えてくれた。今回は長い単独行動だったなと揶揄すればニヒルな笑みが返ってくる。
「おーおー。俺が居なくて寂しかったかのような口振りだな、レイン」
「寂しいわけじゃなかったけど船が静かで退屈だった」
「可愛いこと言ってくれるぜ」
大きな掌は俺の髪をくしゃくしゃと掻き回した後、頬を合わせるために頭部を引き寄せる。ただの挨拶だ、黙って受け入れていれば急に胸元へ衝撃が入ってコンスタンティンから勢い良く引き離された。
「っ!?」
「……王子様のご登場か」
よろけて踏ん張って、突っ撥ねるように胸を押す腕を辿るように見上げて驚いた。アトムスーツを着たレイが物凄い形相で俺を睨んでいたからだ。どうやって割って入ったのかなんて考えなくても分かる。分からないのは『なぜ割って入ったのか』だった。
「僕のことは近づけさせないのに彼には簡単に触らせるのか、君は」
「え……」
「分かった。もういいよ」
レイは腕を下げると俺の横をすれ違っていく。わざとらしく肩をぶつけて去りゆく背中には諦めと怒りが見え隠れしていた。
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