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星条旗のショアライン

第3章 マイティ・ソー(MCU/DW)



ニューヨークの一件でロキが星々を繋ぐとされるユグドラシルの抜け道を活性化させてしまった事実も原因の一端に違いない。あれから頻繁に宇宙生物が外来するようになってしまった地球。チタウリが遺していった近未来の銃火器を街中から回収するだけでも骨が折れたというのに、間髪入れずに地球侵略を目論む奴らが攻撃を仕掛けてくる。アベンジャーズとして大陸の各地へ飛び、事態の収束に手を貸す事も多くなった。
そんなある日。グリニッジでの任務を終えてS.H.I.E.L.D.のロンドン支局へ報告に向かおうとしていた矢先の事だ。天文台に未確認巨大戦艦が上陸中との報告が入ったため急行すると、そこにアスガルドの王子が居た。最後に顔を見たのは約二年前とあって懐かしい。今まさに敵らしき存在と激闘を繰り広げている。彼ほどの猛者であれば手を貸さずとも上手くやりそうだが。
(苦戦してるのか)
距離が縮まるにつれて鮮明になっていく光景に顔を顰める。広場の芝生が大地もろとも抉られていき、歩道の石や銅像もチョコレートのように砕けていく。宙に浮く車、ある空間の境目から空気に溶け込むように消える鳥の群れや瓦礫は観察すればするほど混乱して理解が追い付かない。となれば渦中にいる張本人に聞くのが一番だ。手を貸すから説明してくれるとありがたい、この異常事態を。

(2)

真紅の靄を身に纏う人型の生物が、同じ色に輝く結晶体をソーに突き立てようとしていた。地を転がって逃げ遂せるソーの様子はあまり思わしくない。既に何度か攻撃を受けたようで手傷を負っている。先ずは助けるべきか、そう直感を働かせた俺は放たれる結晶体と身を縮める彼の間に身を投じた。

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