第3章 3 (裏なし)
その時、エレンが急に私に唇を重ねた。
驚いて目を開けたままでいてしまう。
エレンの長いまつ毛がエレンの目に影を作っている。
エレンは私から唇を話して目を開けた。
目をぱっちりと開いたままの私に気づいたのか、大きな目をさらに大きく見開く。
「ソフィアっ!!
バカ、目は閉じろよ!!」
エレンはあたふたしたように目を泳がせる。
「…………っごめん!」
エレンはため息をついて、地面を見る。
「…………あの。
優しく出来なかったかもしれねぇけど…………。
なんつーか………
すげぇ気持ちよかったっつーか………。
だから、あの……また、しような。」
そう言ってエレンは突然立ち上がると男子寮の方に駆け出していった。
淡い月明かりでもわかる、エレンの真っ赤な横顔を見た。