第3章 3 (裏なし)
必死に落ち合う場所まで走る。
怒って帰ってしまっただろうか。
……………いた。
心臓がドクン、と速さを増していく。
月明かりがエレンの輪郭を縁取っている。
それがとても色っぽくて、私はつい言葉を失った。
……………かっこいい。
不安そうな顔をしたエレンが、私の姿をとらえた。
それと同時にエレンの大きな瞳がパッと輝く。
「ソフィア!
遅かったじゃねぇか!!
今日忘れてたかと思ったぜ?」
「ごめんね、ちょっと足止めくらっちゃってさ。」
「足止め…………?
まあ、いいか。
次からは遅れるなよ?」
そう言ってエレンは優しく笑った。