第1章 1 (裏なし)
ウォール・シーナから調査兵団本部への帰り道、エルヴィンはソフィアのことを考えた。
そうか……リヴァイの妹だったのか。
無条件で協力してくれたことも納得できる。
しかし、リヴァイに妹がいたとは………。
いや、あいつは多くを語らない男だ。
にしても、語らなさすぎる。
そのせいでソフィアを疑い、人目を忍んでシーナまでくることになってしまった。
シーナの景色を見る。
10年前、ここの地下街で荒れ狂っていたリヴァイを調査兵団に入団させた。
…………懐かしい。
シーナの夜風を感じながら、エルヴィンはあの日の情景をふっと思い浮かべた。