第1章 1 (裏なし)
近くにあった屋根に着地する。
少し遅れてお兄ちゃんが横に着地した。
「初めてにしては…………なかなか、やるでしょ。」
「ソフィア…」
「ぼさっとしてないで、やろうよ。
私も戦う。
きっと巨人だって、お兄ちゃんみたいな目付きの悪い人より、20歳の女の子に削がれたいんじゃないかな?」
私はそう言ってさらに壁の破壊された場所まで近づいていく。
お兄ちゃんは私を見て立ち尽くしていた。
「ほら!!はやく来てよ!!」
そう叫ぶとお兄ちゃんは我に帰ったように私に続く。
「バカ野郎…。
いいか?決して無茶はしてくれるなよ。」
「了解了解。」
「ソフィア…てめぇ本当に巨人を殺れるのか?
訓練とはちげぇんだぞ?」
「…………うーん。
わからない。
でもさ…………。
不思議と怖くないよ。
私、いつか絶対お兄ちゃんに背中を見せたいって、そう思ってた。」
「……………てめぇ。」