第1章 1 (裏なし)
そのまま壁が破壊された場所まで近づいていく。
「ソフィア!!」
叫ぶお兄ちゃんの声に振り返らない。
その時、視界の端に巨人をとらえた。
巨人も私を見つけたのだろう、こちらに向かって猛スピードで駆けてくる。
――――――考えろ。
あの巨人は……10メートル級。
図体はデカイ。
そのぶん、立体機動の速さにはついていけない。
巨人には知性がない。
目の前の人間を食べることにしか頭がまわらない。
だったら
巨人の足元にまず行って…
ほら、案の定ヤツは下を向いてかがむ。
そうすればうなじがむき出しになるし、小さくなっているから…………
狙いやすい!!殺せる!!
「うわぁああああぁぁ!!」
思いっきりうなじに刃をぶちこむ。
そして引き切る。
「仕留めた…。」