第1章 1 (裏なし)
その人影は巨人の死体から飛び降りると、
そのまま近くにある一番高い建物にアンカーを突き刺す。
そして立体機動装置を使って私の元に向かってくる。
私の体を抱き抱えて、そのまま建物の上に着地した。
「ソフィア…てめぇ…」
ため息をついて私を睨む。
「お…お兄…ちゃん」
お兄ちゃんだった。
涙が溢れ出す。
そんな私を見てお兄ちゃんはまたため息をついた。
「ソフィア!!
てめぇ何やってんだ!!
ぼさっと突っ立ってんじゃねぇよ!!」
「……………うぅぅ。
ごめん…なさい。」
「なんのための立体機動装置だ!!
てめぇはなんのために訓練をしたんだ!!」
一通りお兄ちゃんは怒鳴り散らすと、手についた巨人の血をハンカチで拭いだした。