第7章 〜それぞれの自覚〜
武将が全員揃い、緊急会議が
始まった。
まず、栞が城下での出来事を説明した。
『千草さんの提案で、織田家の姫と
わからないように、配慮してました。
着物もそうですけど、親子を装って
いたし、何より、私達は、一度も
それぞれの名前を口にしてません。
けれど、雪姫さんが、途中からつけられて
ると気づき、何度もそれとなく確認
してたみたいですけど、誰でもと言うより
私達を狙っていたみたいです。
雪姫さんは、きっと信長様に敵対して
いるものだろうって言ってました。
だから捕まったら何されるか分からない
からって・・』涙をぐっと堪えて
また続けた。
『男達の、正確な人数はわかりませんが
雪姫さんと途中で二手に別れた時
雪姫さんの方にも、私と千草さんの方にも
それぞれに見張りがいたので、足音から
しても3人は確実にいたと思います。
その男達全部を自分にひきつける
考えで、雪姫さんは囮になって
私を守ってくれたんです。
だから、私のせいなんです。
信長様、大切な雪姫さんを私の勝手で
強引に連れ出したばかりに、こんな
事になって、本当に申し訳ありませんでした』
と一気に説明すると、また勝手に涙が出た。
『もう、よい。気にするな。
貴様のせいではない。』と信長様は
言ってくれた。
秀吉は、『雪姫と栞が名を一言も
発してないのに織田家の姫君だと
分かったと言うことは初めから
顔を知っていたと言うことだな。』
光秀は『となると、この城内にネズミが
紛れ混んでる可能性もあるな』
三成『確かに、その可能性はあるかと。
先日の本能寺での出来事も、考えると
護衛が少ない事を知っていて、狙った
可能性は高いです。』
政宗『狙いが信長様なら、また二人を使って
おびき出そうする可能性はあるし
ネズミがいるなら、ここに置いて置くのは
危ないんじゃないか?』
家康『雪姫を、助ける時に俺が切った
浪人は、雪姫に刀を振り上げてた。
とにかく信長様を引っ張り出せれば
二人の生死は問わないってことなんじゃ・・』
自分で言っておきながら、あとほんの少し
遅かったらと思うとゾッとする家康。
栞は、信長が狙われている話を
聞いて本能寺での事を思い出していた。
(そう言えば、あの人変だったよねー
あの人がもし本能寺の住職さんなら、自分の
寺が火事になってるのに、あんなにこっそり
覗くかなぁ?)と