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《イケメン戦国》初恋〜運命の赤い糸〜

第5章 〜未来から来た姫君〜


雪姫の話を黙って耳を傾けて
聞いていた栞。

雪姫の内奥に秘められた、本当の
雪姫を見せられた気がした。

たった10歳の女の子が
記憶も感情すら失う出来事に
見舞われながら
それでも、自分は不幸ではないと
言い切れる強さ。

皆に、慈しまれ、支えてもらって
繋がれた自分の命だと感謝できる謙虚さ。

自分と同い年くらいなのに
生きていることへの重みが
まるで違う。

平和な世界でのほほんと
過ごし、明日も変わらぬ
明日が来ると思っていた。

でも、違った。
今、こんな状況に置かれて
はじめて知った。

明日なんて、どうなるか
分からない。

雪姫さんは、それを知っている
だから、今この時を関わる人全てを
慈しみながら生きてるように思えた。

私も強くなりたい・・・
雪姫さんみたいに、強く、優しく
そう在りたい、栞はそう思った。

けれど、同時にそれは栞の中で芽生えた
雪姫に対する、小さなコンプレックス
でもあった。


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泥に咲く蓮の花

泥が濃ければ濃いほど大輪に咲く

蓮の花

雪姫の美しさの本質がそこにある


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