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《イケメン戦国》初恋〜運命の赤い糸〜

第10章 〜ありふれた日々〜


家康と桜奈は
家康の御殿に帰ると、二人で
仲良く夕餉を取った。

賊の討伐も終わり、光秀と
家康の執拗な取り調べの
効果もあり、城内に潜りこんだ
間者の捕獲もできた。
顕如の行方は、拠点を転々と
している為か、はっきりとは
分からなかったが
動向は、継続して探っていた。
一先ず、差し迫った危険は
回避されたため、栞は、一足先に
安土城に戻っていた。

桜奈も家康の傷が回復し次第
安土城に戻ることになっていた。
いくら許嫁とは言え、婚儀の済んでない
男女が一つ屋根の下は、桜奈の
体裁が悪くなると、信長が判断し
怪我の具合も落ち着いたので
明日、安土城に戻ることになっていた。

本来なら一刻も早く祝言を
あげたいところだったが
顕如と今川の残党が組んだ手勢の
他に、四年前に死んだと思われ
ていた、武田信玄と上杉謙信が
生きていて、信長様の首を狙い
近々、戦を仕掛けようとしているという
情報があり、それらが片付かない
事には、祝言の準備どころでは
なかったのだ。

家康にしてみれば
身体を動かせないうちは
安土城で療養を続けていたので
信長の目もあり、何とか
我慢がきいていた。

しかし、少し動けるようになり
自宅療養に切り替えてからは、看病して
もらう名目で、桜奈も一緒に
連れてきたものの・・・

(病み上がりの俺に、これは、一体何の
苦行なんだ!!)と、蛇の生殺しを
味わっていたのだ。

夕餉を終え、それぞれ湯浴みし
寝間着に着替えて、後は、それぞれの
自室で眠るはずだった。

しかし、桜奈が家康の部屋にきて
昔を思い出したら、囲碁の対局を
してみたくなった言い出した。

寝間着に羽織を羽織っただけの
姿は、家康にしてみれば、どっから
どう見ても誘っているとしか思えない。

一方、桜奈は、明日からまた
離れ離れになる寂しさもあり
少しでも長く一緒の時間を過ごして
居たいという、至って純粋な恋心で
あり、家康が考えてるいるような
事は微塵も思っていなかった。

かつて一度も勝ったことがなかった
囲碁を今ならどう戦えるかに
興味が湧いてのことだった。
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