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【最遊記】金色の向日葵

第11章 ★ とある夜の、エトセトラ


部屋に入った2人。ベッドにドサリと身を沈める悟浄と『先にお風呂頂きますね』と話し、浴室へ向かう八戒。

「おーぅ、了解」

そう見送った悟浄。いろいろと1人考えていた。
それから待つ事15分程か…八戒が出てきた。

「お先にありがとうございます。」
「いいえ。」
「ふぅ、白竜も気持ちよかったですか?」
「キュキューー!!」
「なぁ八戒?」
「はい?」
「三蔵のあの行動、どう見る?」
「あの行動、とは?」
「解ってんだろうよ、雅に対する行動以外にあるかぁ?」
「確かに…そうですねぇ。」
「俺は別にいいと思うんだよ。だけど、いろんな意味で大変になるんじゃねぇかって思ってさ。」
「そうですね。あの人も大切な人を敢えて『作ってこなかった』人ですから…」
「俺らは良いんよ。なんだかんだ言っても野郎同士だし。恋愛感情何てある訳ねぇ。だけど雅はさ。」
「そうですねぇ…」
「…おい、八戒」
「はい?」
「さっきからお前『そうですね』しか言ってねぇけど?」
「そうですか?」

きょとんとした顔で悟浄を見つめる八戒。そんな相手にくしゃりと髪を掻き上げた悟浄は話を進めた。

「守る事が面倒くさいとか言ってっけど、そんな理由じゃねぇのよね。三蔵は。」
「失った時のあの空虚感が怖いんでしょう」
「確かに。普段強がってるくせにそう言うところはあるからね。」
「でも、それも三蔵らしくていいと思いますけど…」
「まぁねぇ…」

カチッと煙草に火をつけた悟浄。そのまま噴き上げた。

「雅は……そう言った事知らないからな」
「僕らも言ってないですし…」
「三蔵が話す、とも思えねぇけど…」
「もしこれで三蔵が本当に雅を愛する女性として受けたらどうするんでしょうか。」
「どうって?」
「ほら、紅孩児とか、襲って来たら確実に戦線離脱しますよ?」
「今まででさえ端っから相手にしてなかったじぇねぇの」
「ハハ、確かにそうですね」

そう話していた時、悟浄はよっと立ち上がって大きく伸びをする。

「どうしました?」
「俺もちょっくら風呂、入ってくるわ。」
「あぁ、そうでしたね。いってらっしゃぁい」
「何か…そのお見送り、奥さんみたいだな…」
「おや、嫌ですよ?そんなヘビースモーカーの旦那様なんて。」
「反対理由はそこか?」

クスクス笑いながら悟浄は浴室へ向かった。
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