第11章 再会と初めまして同盟さん
「シルバー、話がある」
新聞を読んでいたリオをクレインが呼ぶ。
「はーい。ちょっと待ってて」
リオは立ち上がり、クレインの元に向かう。
「なにかあった?」
「……アウルからハートの海賊団の現在位置の情報を買った。お前に選ばせる」
クレインは懐からエターナルポースを取り出す。
「ここに留まるか、これを俺から買ってハートの海賊団に戻るか」
「!」
少し前にローが同盟を組んだ記事を見た時に彼の元に戻れないか尋ねてもまだ早いと言われていた。
その後にミズミズの実を用いたある攻撃を会得したので結果としては良かったのだが…。
「あの攻撃をもう少し安定させたい気持ちはあるが…使えなくはないだろう。どうする」
「決まってる。その手に持っている情報を買うわ」
リオの言葉にクレインはフッと笑い、エターナルポースを手渡す。
「私からの餞別だ。船は赤髪がお前仕様のを準備している。」
「……わかったわクレイン、2年間ありがとうございました」
リオは深々と頭を下げると準備の為、船内へと向かった。
「……小さなカラスは拠り所に戻る…これで俺の仕事は終いだ。シルバー」
クレインの声は誰にも届かず、広い海と空の中へ消えていった。