第8章 シルバークロウの弟子
その夜、ローはベッドに眠るリオの側にいた。
クレインとある契約をした後、急いで船に戻りリオの治療に当たった。
今は麻酔でベッドに眠っている。
「キャプテン…リオ大丈夫?」
ベポが心配そうに部屋に入ってきて歩み寄ってくる。
「とりあえず安静だ、俺は少し出てくるからリオを頼む」
「アイアイ」
ローは部屋を出るとそのまま船からも降りる。
そのまま船を離れ歩いて行くと丁度船から見えない位置にクレインが立っていた。
「リオはどうだ?」
「重傷だが命に別条はねぇ。今は麻酔で寝かせてる」
「そうか」
ローはクレインの前に立つと懐から分厚い封筒を差し出す。
「リオと先代のシルバークロウの関係、そしてお前が見た先代の最期に関する情報料だ」
「お前も物好きだな、これからの敵ではなくリオの過去の事を買うなんてな」
「なんとでも言え。こうでもしないとあいつの事を知ることができねぇ」
クレインは差し出された封筒を受け取ると懐にしまう。
「最初に言っておくが、あいつとリオの出会いは俺も詳しく知らん。俺が知っている情報だけお前に伝える」
「あぁ、構わねぇ」
「……俺とリオが出会ったのはあいつが幼い頃だ…」