第7章 シャボンが舞う島、羽を休める鶴
次の島を目指して航海していたハートの海賊団。
目の前に見えたヤルキマンマングローブの群集体。
「シャボンディ諸島だー!」
甲板から聞こえる声。リオは船長室横にある物置で着替えを行っていた。
この物置はローがリオの為に空けてくれた空間でリオの服や情報売買に必要なお金が置かれている。
「人が多いなら情報屋も多いんだろうなぁ…」
新世界を目指すためには赤い大陸を越えなければいけないが、海賊は正規ルートは通れないので裏ルートである魚人島と経由し新世界に入る。
そのためには船にコーディングをしなければならず、必然的にこのシャボンディ諸島に様々な海賊が集まる。
つまり情報屋にとっては情報売買にうってつけの場所。
リオは黒いパーカーに白シャツ、黒のショーパンに黒いブーツを身に着ける。
「お金も多めに持ってくかぁ…鞄にある程度入れといて…ポケットは…」
ブツブツと呟きながら準備を進めていくリオ。
しばらくして準備が整ったのか鞄(小さめのリュック)を背負って物置を出る。
すると丁度ローが船長室を出るところに出食わす。
「準備出来たのか?」
「ん。こんなに人がいたら情報屋の血が騒ぐ」
ふふふと笑いながらリオはローと共に甲板に出る。
船は既に港に停泊しており、クルー達が上陸準備をしていた。
「ベポ、シャチ、ペンギンは俺と来い。あとは新世界に向かうまでの調達だ。海軍と天竜人には気をつけろ」
「「「アイアイ船長(キャプテン)」」」
クルー達が各々降りていく中、リオも船を降りる。
「私は本業で離れるから」
「あぁ」
ローの返事を聞き、リオはサングラスを掛けると町に向かって歩いて行った。