第6章 心が見せたもの
数日後、無人島から出航した一行は別の島に上陸していた。
クルーが各々降りていく中、リオも船を降りる準備をする。
「どこか行くのか?」
船を降りる準備をしていたリオにローが近寄り、そう声をかける。
「ん。情報の売買に行くの。」
前回同様であればリオについていくのだが、今日は自身の医療道具の補充もありついていくことは出来ない。
戦闘能力がある彼女であれば高額の賞金首に会わなければ大丈夫だろう。
「何かあれば連絡しろ」
「はいはい」
リオは船から降りると町の方へと歩いて行った。
(とまぁ…買い手がいないと暇なんだけどねぇ)
町の中にあるベンチに座りながら歩く人々を見る。
島で生活している人や情報屋から自分が知らない情報を買い、次は売り手としてお客を待っていた。
シルバークロウであるリオは海賊や海軍など分け隔てなく情報を売っているのだが、客のほとんどが海賊。
様々な人間を見てきている為か情報を買いそうな人間は見るだけで察することが出来る。
しかし自分の前を通る人のほとんどが地元民でリオの情報を買いそうな人間はいない。
(場所移動するか…)
リオがベンチから立ち上がろうとすると
「世界一の情報屋はアンタの事かい?」
背後から聞こえた言葉にリオは動きを止める。