第25章 次の世代へ、そしていつまでも側に
思えば彼にも色々と迷惑をかけたし、気も遣わせてきた。
情報屋と海賊。二足の草鞋での生活は思った以上にハードな事が多かった。
それでも両立出来たのは不器用だけど優しい彼と優しいクルーのみんながいたから。
でも、今日で情報屋はおしまい。
「これからは海賊として…貴方の隣を歩かせてね」
「あぁ。しっかり俺の隣を歩け…船長命令だ」
そう言って私の唇にキスしてくれる彼。
私はそんな彼に笑うと左腕に刻まれたタトゥーに手を添える。
「いつまでも…どこまでも…貴方の側に」
この世界には情報を売る事を生業にしている情報屋がいる。
その中で特別な情報屋、オルニスという存在がいる。
オルニスの中でも一番と呼ばれるのが銀色のカラス。シルバークロウ。
銀色の髪をなびかせて情報を求めている人の元に現れる。
今日もシルバークロウの情報を求めて一組の海賊が島に上陸する。
そんな彼らの前に現れるひとりの青年。
「はじめまして。俺は情報屋…シルバークロウだ。」