第24章 新しいオルニス候補者
翌日。
前の日にたっぷり羽を伸ばしたリオはすっきりした表情で脱衣所で話し合いの時に着る黒いドレスに袖を通す。
「そういえば髪の毛…伸びたなぁ…」
ふと鏡を見た時に肩につかないぐらいの髪が肩を超すくらい伸びている事に気づく。
普段なら初日の段階で気づくはずだが、怪我で長期療養していたり、オルニスの話し合いと立て込んでいて気づかないくらい珍しく余裕が無かった。
(私伸びるの早いんだよなぁ…髪留めでまとめよ…)
リオは脱衣所を出るとローが椅子に座って本を読んでいる部屋に向かい、髪留めを出すため持参した荷物をゴソゴソ探す。
「何か探し物か?」
「うん、髪伸びたからまとめようかなぁ…と。よし、あった」
かばんから黒い髪留めを手に持つとローは本を閉じてテーブルに置くとリオに向かって手招きする。
「来い。俺がやってやる」
「え?ヘアアレンジ出来るの?」
「簡単なものならな。早くしないと送れるぞ」
ローは椅子から立ち上がると再度手招きし、部屋に備え付けされているドレッサーの前に立つ。
リオは念の為鞄に入れていたヘアゴムや髪飾り、黒いリボンを出し、ブラシを持つとドレッサーの椅子に座る。
椅子に座ったリオからブラシをもらうとローはリオの銀色の髪を梳かし始めた。