第21章 一時の平和な時間
「あ、これシルバーちゃんに。前に作ったベリーのムースとプリン、あとサンドイッチも入れてある。ローに冷蔵庫に入れるよう伝えておく。じゃあナミさん、俺行くね」
「えぇ、ありがとう」
サンジは持っていたバスケットをリオに見せた後、オペ室を出ていき部屋にはナミとリオの2人になる。
「で、情報屋としての勝負ってなんなの?」
「直球だなぁ…私、故郷を出てからは師匠である先代のシルバークロウと旅をしてたの。師匠と昔から親交があったオルニスが私を認めていなくて…この傷はその人から受けたやつ。とりあえず色々経て認めてもらったんだけどね」
「オルニスも大変なのね」
ナミは包帯で覆われた右腕を見る。
以前見た時は細くてしろい腕は傷一つなかった。
それが今は痛々しくギプス固定されている。
おそらく以前のような綺麗な腕に戻らないだろう。
「傷、残るの?」
「えぇ。大きいのと小さいの…ロ-曰く消すことも出来たけどあえて残そうと思って。隠すことは出来るしね」
自分にとっては勲章に近い傷。
女としては消した方がいいかもしれないが、情報屋オルニスとしてこの傷は残したい。そう思った。
「はぁ…でもまぁ怪我してる時くらいトラ男にうんと甘えなさいよ?」
「そのつもり!」
「まったく…とりあえず話し相手になってあげるから色々聞かせてよね」
二ッと笑うナミにリオもつられて笑った。
今は同盟相手でももし同盟が終われば歴同士になる。
それでもナミはリオにとって数少ない女友達なのだ。
久しぶりの友人との会話に時間を忘れてリオは楽しんだ。