第21章 一時の平和な時間
スパローと別れて3日後。
ハートの海賊団はリージェット島を出航し、海底を進んでいた。
右腕の怪我の為、安静を言い渡されているリオはオペ室奥のベッドで本を読んで過ごしていた。
スパローと師匠が眠る場所に行った日の夜に傷口の悪化に伴う高熱に苦しむことになり、今朝ようやく高熱が引いたのだ。
ずっと横になっていた為そろそろ身体を起こしたいとローに訴え、たくさんのクッションで背中を支えて少し身体を起こし、ペンギンが天井から布を吊るしてその中に右腕を入れれるようにする道具とベッドに設置できて左手だけで本が読める机を開発してくれたのでローの許可の元それを使いながら読書をしている。
「リオー、お昼ご飯だよー」
船長室に入ってきたのはベポで手にはお盆があり、小さな器から少し湯気が立っている。
「はーい」
リオは本にしおりを挟み、ベッド横に置くとベポが机におぼんを置く。
器の中にはお粥が入っていて、今日は玉子粥のようだ。
「いただきます」
リオは左手にスプーンを持つとお粥を掬い、冷ましてから食べる。
「ん、美味しい」
「ほんと?今日はシャチが作ったんだよ。伝えておくね」
リオが怪我した今、クルー達が分担して食事を作っている。
前みたいな野菜っ気無しの食事を心配していたのだが、意外にも彩りや栄養に気を遣った食事を作っており、リオを驚かせた。
クルー達曰く、リオがいない2年間で鍛えたらしい。
「そろそろお粥じゃなくても大丈夫だねー。何か食べたいのある?」
「……サンドイッチが食べたい」
クルー達には出しても自分はパン嫌いの船長に気を遣ってこの船の上ではあまり食べていなかった。が、今なら許されるだろう。リオ自身はパンが好きなのだ。