第19章 相見える2人のオルニス
診察台に横にし血まみれの右腕を見た後リオの顔を見る。
多くの血を失われた事で顔に血の気がない。
「ごめ…血も、これ以上操作できな…」
「まず止血して輸血する。痛くても我慢しろ」
ローはそう言うとペンギン達に指示をし、右腕の止血をしていくがその途中で右肩にある爪傷、そして右腕を噛まれたような傷に砕かれたような骨折。
「傷がひでぇな…。輸血を続けながら先にオペに入る。リオ、右腕全体に麻酔をするから気を楽にしろ」
麻酔薬が入った注射器を取り出すとリオの右腕に針を刺す。
中にある麻酔薬がリオの体内に入っていき、少しずつ右腕の感覚が無くなっていく。
「ロー…お願いね」
リオはニッとローに向かって笑う。
ローはそれに対してフッと笑うとメスを手に取った。
数時間後、ローは甲板に立っていた。
リオの右腕は内外共にボロボロな状態でローがオペと能力を駆使してとりあえず日常生活に支障が無い程度には直したが、骨の状態含めた損傷状況から計算し完治までには時間を要する。
また傷の範囲もかなり大きく、彼女の美しい腕に大きな傷がいくつも残ってしまった。
皮膚移植も含めて提案したがリオ自身が傷を残したいと言い、そのままだ。
オペの際に右腕全体に部分麻酔をしたのだが、リオは麻酔の影響を受けやすい体質なのか彼女はオペ中もボーっとした状態であった。
オペ終了後ローは麻酔で意識がぼんやりしているリオにベッドでの安静を言い渡し、甲板に出てきたのだ。