第19章 相見える2人のオルニス
「提案?」
町に向かおうとしたリオにスパローが言った言葉。
「お前は俺との戦闘で満身創痍、アッシュを殺せても他のクルーにお前が殺されるかもしれねぇ」
「……」
スパローの言葉にリオは反論できず黙ってしまう。
正直今の状態で海賊から逃げ切る事は難しい。
町にはロー達がいると言えど、そこに達するまでに殺される可能性も拭えない。
「お前のさっきの能力、どんなのが出来る」
「さっきのって…血液のやつ?出血量から、計算してあとできるのは…この右腕から針を出すぐらいかな…でもそれを出したら…私は動けなくなる」
「ここから俺の提案だ。お前を小脇に抱えて潰したとアッシュの元に行く。目の前に立った時にそれでアッシュに攻撃しろ。その後は俺が全部やる」
スパローの提案にリオは暫し悩んだ。
しかし、自分の現状を考えそれが最良とすぐに判断し了承する。
「うちの船長には…抱えられてる時にでも…小声で声かけるわ」
「決まりだな。行くぞ」
スパローはリオを抱えると町へと歩いて行った。
そして現在。
追いかけてきたルヴトー海賊団のクルー達を蹴散らし、船へと戻ってきたロー達。
ローはすぐにリオの手当をする為、オペ室へと入った。