第19章 相見える2人のオルニス
「……行ったな、これで遠慮なく殺り合える…」
スパローがそう言った時、自分の顔に向かって何かが飛んできて瞬時に避けるが頬に一筋の傷がつき、血が流れる。
「そういえばお前は自然系の能力者だったな」
「えぇ。そういう貴方は動物系ね…見た目の特徴的にハイエナかしら?」
「あぁ。ネコネコの実、モデルハイエナだ。この能力でお前をぶっ潰す」
スパローはそう言うと身体を変化させ半獣化になると鋭い爪をリオに見せる。
それを見たリオはスパローに聞こえないように呟いた。
「何も知らない哀れな鳥か…」
リオとスパローを残し、先を進んだ一行は島の中心街入り口にたどり着いていた。
「キャプテン、リオ大丈夫かな…」
ベポは置いてきた仲間を心配し、ローにそう呟く。
「…大丈夫だ。あいつは強い」
正直、ローが一番彼女の身を案じていた。
本当であれば置いて先には行きたくなかった。
しかし、海賊ではなく情報屋シルバークロウとしてスパローに挑む彼女の戦いに自分が入るわけにはいかない。
今自分に出来る事は…
「ルヴトー海賊団のアッシュって奴を探せ、雑魚は適当に相手しろ、ただし油断はするな」
「「「アイアイキャプテン!!」」」
その掛け声を合図にハートの海賊団は町の中へ入っていく。
町の人間はロー達が入ってきたのを見ると次々家の中に入る。
アッシュの居場所を知りたいローは家の中に入る途中の初老の女を見つけ、呼び止めた。