第18章 銀色のカラスを待つ紅き雀
その頃、リージェット島では。
『貴様にシルバークロウの情報は売れない』
子電伝虫を手にした大柄な男は聞こえてきた声に舌打ちをする。
「てめぇ…客にそんな態度取っていいのか?」
『お前は客の前にオルニスだ。売るかどうかは選ばせてもらう。あと何をするか知らんが今のシルバーは先代と私が育てた子だ』
「シルバークロウはあいつだけだ。情報売らねぇならお前には用はねぇ」
『スパロー…シルバーに何かしたら…』
電話の男、クレインが言い切る前に男は子電伝虫の通話を切る。
「スパロー、お前また情報屋として出るのか?」
通話を切った男に別の男が近づいて声をかける。
「……ぶっ潰してぇ奴が間もなく来る。そいつ潰したら出る」
「そうか。まぁ程々にな」
男はニヤリと笑いながら歩いて行く。
スパローは持っていた子電伝虫をしまうと男の後ろを歩いて行く。
「早く来い…2代目シルバークロウさんよぉ…」