第17章 初めてのデート
宴が終わり、船長室に戻ってリオとロー。
「んー…もう少し度数高いの飲めばよかったなぁ…」
「酒場にある酒樽ほぼ空にしたのに飲み足りないか」
リオはソファーに座り、ローは戸棚の前に立つ。
「私にとってあれは水よ。もっと度数高いの…んっ」
リオが話しているといつの間に隣に座ったのかローがリオの唇にキスをし、口の中にあった酒を流し込む。
「ん…あ、これ美味しい」
「これで終いだ、我慢しろ」
ローがリオにそう言うと少し不満げな返事が聞こえる。
「あ、忘れてた」
リオはソファーから立ち上がると机に置いていた2つ紙袋のうち1つを手に取り、ローの前に立つ。
「これ、服のお礼」
ローはその紙袋を受け取り、中を見ると箱が入っていた。
取り出し中を見ると黒に小さな白くまの模様が入っているマグカップが入っていた。
「ローがいつも使ってるマグカップ、持ち手に小さなヒビがあったの。だからそろそろ買い替えだなって思ってたんだ」
「そうか。ありがとな」
ローはマグカップを箱の中にしまうと机に置かれたもう一つの紙袋が目に入る。
「あれはお前のか?」
「うん。あ、中見てみたい?」
「……」
ローはソファー近くのテーブルに箱を置くと立ち上がり、紙袋が置かれている机に移動する。そして紙袋の中にある箱を取り出す。
「見ても引かないでねー」
リオの言葉を聞きながら箱の中から出すとローとは対照的な白に黒い猫の模様が入ったマグカップ。
色と描かれている動物は違うが一目見たら色違いにも見えるもの。