第17章 初めてのデート
「そういえばそんな服持っていたか?」
2年前乗った時は普段着ているようなボーイッシュな服ばかりだったはず。
「あー…これは赤髪がたまには女らしい服着ろって…押し付けられて着てなかったやつなんだよね」
リオが苦笑いしながらそう言うとローは顔をしかめ、偶然目の前にあったブティックにリオを連れて入る。
「ど、どうしたの?ここ女性物のお店…」
「それは似合っているが他の男が買ったのが気に食わねぇ」
それだけ言うとリオから離れ、ラックにかかっている服を吟味し始めるロー。
最初はポカンとして見ていたが、次第にローがこの服の贈り主に嫉妬していると気づきローに気づかれないように笑う。
「じゃあ私にとびきり似合う服選んでね。次のデートで着るから」
「あぁ」
リオは服を選ぶローの隣に立ちつつ嬉しそうに笑った。
「ありがとうございました」
1時間ほどブティックにいた2人。ローの肩には買った服が入った袋の紐がかかっていた。
「自分で買ったのに…」
ローが選んだ服を買う予定だったが、リオが財布を出す前にローが払ってしまったのだ。
「気にするな」
「もう…」
2人は歩き出し、会話をしながら歩いて行く。
「今日は島のお店で宴?」
「あぁ。たまには飯作るの休んでもいいだろ」
「ふふ、ありがとうございます。」
リオがそう言うとふとあるお店が目に入る。
「雑貨屋さん…」
「入るか?」
ローの言葉に頷こうとしたがある事を思いつく。
「ローはここで待ってて。すぐに戻るから」
ローの返事を待たず、リオは雑貨屋さんの中に入る。
中に入っていったリオについて行こうと考えたが、怒った時が怖い彼女なので大人しく店の外で待つことにする。
10分程待つと小さな紙袋を2つ手に持ったリオが中から出てくる。
「お待たせ!」
「用は済んだか?」
「うん。後はどっか行きたいとこある?」
「そうだな…本屋で掘り出し物あるか見ていくか」
「あ、私も面白そうな本あったら買おうかな」
二人は手を繋ぎ、島にある本屋に向かって歩き出した。