第17章 初めてのデート
全身鏡で全身を確認の為鏡の前に立つ。
(うわぁ…違和感しかない…)
まず女性らしい服をあまり着ないので鏡に映る自分に違和感しかない。
しかしデートっぽい服などこれしか無いので腹を括り甲板へと向かう。
「ロー、準備出来たよー」
「あぁ、じゃあ行く…っ!」
ワンピース姿のリオを見たローは見た事ない女性らしい姿に珍しく顔を赤らめる。
それは他のクルーも同様で頬を朱に染めている。
「……やっぱ変かな?」
全員が何も言わないので似合わないと捉えたリオは苦笑いするが、クルー達は皆首を振る。
「すっごく似合うよ!!」
「似合いすぎだ」
「普段とのギャップがいいぜ!」
クルー達の絶賛の声に礼を言うとリオから視線を逸らしているローの隣に立つ。
「ロー、似合う?」
身長差から自然と上目遣いになり、ローを見ながら首を傾げる。
「っ……あぁ。行くぞ」
ローはリオの手を握ると歩き出し、一緒に船を降りる。
リオもローの手をギュッと握り、隣を歩いて行く。
「何か見たいものはあるか?」
「いやぁ…それがあんまり…」
元々船を降りる予定が無かった2人、デートしてこいとクルー達に言われたが見たいものも行きたい場所も特にない。