第2章 銀色のカラス
「じゃあ情報を伝えるわ」
オルニス
世界で7人しかいない鳥の名前を持つ情報屋。
オルニスの名前を知らない情報屋はいない。
我らはそれぞれの専門分野で得た情報を売買している。
海賊専門、オウムとスパロー。
海軍専門、ラーク。
革命軍専門、スワロー。
王下七武海専門、アウル
四皇専門、クレイン
そして全ての情報を持つシルバークロウ。
「オルニスに会っても欲しい情報を持っているとは限らない。私達はそれぞれ役割分担してるからね」
「つまり、前回会ったオウムはたまたま運が良かったと?」
「あぁオウムに会ってるんだ…まぁオウムはまだ穏やかだしね。性格が荒いオルニスもいるから気をつけた方がいい」
すべて話し終えると彼女は立ち上がる。
「荷物を取ってくるわ」
「……まて、これからお前をなんて呼べばいい」
「そうね…リオでいいよ。シルバークロウは長いし。」
彼女、リオはそう言うと食堂を出て行った。
宿舎に戻ったリオは荷物を持ち、再び黄色の潜水艦の前に立っていた。
(潜水艦って改めて見ると面白い構造だな…)
海賊の中でも潜水艦を使用している海賊は非常に珍しい。
リオ自身も潜水艦に乗るのは初めてだ。
(あの人も…こういうの好きだったなぁ…)
ふとリオの脳裏に浮かんだ笑顔。
自分の人生を変えてくれた人。
でも、もうその笑顔を見る事は無い。
「おい、何をしている。出航だ」
ローの少し不機嫌そうな声にリオは返事をして船に乗り込んだ。