第12章 生まれ故郷
リオの言葉を聞き、リリアはすぐに退散していった。
王女がいなくなった事で町の人が安堵していたが、それよりも気になる事。
「アンタ…レイチェル様なのかい?」
リオはその言葉に少し気まずそうに頬を指でポリポリ掻く。
「おいリオ、どういう事だ。俺達にもわかるように説明しろ」
「…わかった。まず町の人、私はレイチェルで間違いないわ。今は名乗ってないけど」
リオの言葉に町の人は歓喜をあげる。喜ぶ者の他に涙を流す者もいる。
「生きていたんですね…!」
「とてもご立派になって…!」
リオがその様子に微笑むとローを見る。
「私の事を話すわ。長くなるけどいい?」
「構わねぇ」
「レイチェル様、話すなら広場へ。あそこなら座れますよ」
「ありがとう」
リオは町の人の案内でロー達と広場へ移動する。
町の人が案内してくれた広場はハートの海賊団全員が座ることが出来るベンチが設置されていて、ローとリオ以外がそこに座る。
どこから登場したのか町の人が別の椅子を2つ用意してくれたのでローはクルーが座るベンチの前へ、リオはロー達と向かい合うように座る。
「まず、レイチェルは私の本名よ。本名と言っても16年名乗ってないから違和感しかないけど…今名乗っているのは後から名付けられた名前なの」
「で、あの胸糞悪い女との関係は?」
「それは今から話すわ。上陸時にも言ったけど私はこの島で生まれたわ」