第10章 実家
お昼前に届いた、結婚式のアルバム。
「こんなに早く届くんですか!?」
だって、数日前だよ!?いくらなんでも早過ぎ……
「あー少し、無理を聞いてもらったんだよ」
信玄様が頭を掻きながら答えている。
うーん、何をしたかは聞かないでおこう。
「そうなんですね。あ、開けてもいいですか?」
「もちろんだ」
届いた箱を開けてみると、
「あれ?同じアルバムが、2冊ありますよ?」
私が不思議そうな顔で呟くと、信玄様はその1冊を手に取り
「遅くなってしまったがこれを持って、きょうこのご両親に挨拶に伺いたいんだ」
「えっ!?」
「本当なら式を挙げる前に、行かなければいけなかったんだが……
時間の都合上とはいえ、すまなかった。
順番が逆になってしまったが……此方を発つ前に、一番重要な事だと思っている」
大きく頭を下げてから、私の目を真っ直ぐに見て言ってくれる信玄様。
「ありがとうございます。ただ両親には、何て説明すればいいのか……」
そう。私が現代に帰ってきたときも両親には、説明出来ずにいた。
ここに居ることも、ハッキリとは知らせていない。
だけど……