第3章 決断を
決断を
翌日の午後、リヴァイはエルヴィン団長に呼び出された。
「キースから話を聞いたがリヴァイ、一体どう言う風の吹き回しだい?」
「チッ、本当に話しやがったかキース」
リヴァイは珍しく宙に目を漂わせながらもどっかりとソファーに腰をかけた
「訓練兵団にいる1人の女子を補習で面倒見ると申し出たそうじゃないか」
「まぁ、たまたま昨日ランニングに出たらガキが1人で立体機動の練習をしていた。
余りにも出来が悪かったから少し教えてやったが、頭はお前よりもキレるらしいぞ」
「・・・確かに座学の成績は訓練兵団始まって以来トップらしいな」
エルヴィンの元にはの評価表が届いているらしく彼は興味深げにページを捲る
「だが技能面では・・・このままでは訓練兵団では着いて行けるとは思われないと言うコメント付きだ。」
「らしいな」
「何故、お前はこの子に目をつけたんだ?」
「面構えが悪くねぇ、それにこのガキは決して運動神経が悪いわけではねえ。本来では2人で組になって1人が釣り上げのリールを巻くが、アイツは装備で吊るされた状態で自分でリールを操りやがった」
「ほぅ・・・それは凄い身体能力だ。」
「間違いなく1位をとれる、俺が教えればな」
リヴァイは不敵に笑う。
「だが、お前は調査兵団の訓練も受け持っているだろう。どうするつもりだ。」
「あ?そんなの夜に決まってるだろうが」
「・・・年頃の女子を夜にお前に預けると言うには抵抗があるな、リヴァイ。」
「ガキに欲情するほど金にも女にも不自由はしてねぇよ」
「・・・ではお前は一体何が目的なのだ?」
エルヴィンは困ったようにリヴァイを見た。流石のエルヴィンでもリヴァイの思惑を
推し量りかねていた。
「俺がアイツに求めているのは身体ではない。ブレーンだ。要は頭だ。お前や俺がいなくなった時のための予備だ。」
この衝撃的な言葉にエルヴィンも息を飲んだ。
「リヴァイ、本気で調査兵団に彼女を入れるつもりか、本人の意向も無視してか?」
「あ?俺は狙った獲物は一部の巨人以外は逃さねぇんだよ。」
リヴァイは凶悪とも思える三白眼を光らせてそう言った。