第16章 綱渡り
綱渡り
が目覚めて1週間後、は軽めの訓練であればとの事で訓練復帰を許された、が・・・。
「これがエルヴィン団長の仰っていた、特別メニューですか?」
「ああ、そうらしいな。しかもお前だけではなく調査兵団共通の訓練としても組み込まれた」
リヴァイは面倒くさそうに集まったリヴァイ班のメンバーに説明を始めた。
「なんてことはない、まずはこのロープを渡れ」
高さ約50センチ、長さ100メートルに渡って1本の鋼鉄ワイヤーが金属製の柱に渡されているだけだ。
「これが訓練ですか?リヴァイ兵長。」
「ああ、そうだ。ペトラ。」
まずはリヴァイがひょいと金属製の足場を登ると彼は何ともないと言うふうに渡っていく。
「こんなの簡単ですよ。兵長。」
「ほぅ、オルオ。ではやってみろ」
そう言って渡り切ったリヴァイはフッと口角を上げるとオルオに命じた。
が・・・ロープの真ん中に来た時である。
「うわぁっ!なんだこれ、ロープが揺れやがる!」
そう言った途端にオルオは鋼鉄ワイヤーから落下した。
「くっそ、なんだこれは。」
オルオに続いてリヴァイ班も続いたが1回でワイヤーを渡り切った者はいなかった。
そして最たる者がだった。
「うわぁっ!」
は1/3行かずに簡単に落下してしまった。
「お前が一番重症なようだな、。」
他のリヴァイ班のメンバーは何度かの挑戦で渡り切ったもののだけは上手くいかない。
リヴァイはやれやれと言うようにため息をついた。
「頑張れ!!」
「お前だってできるはずだ!」
応援してくれるリヴァイ班のメンバーの声援は嬉しいが、にとってはまるで訓練兵団にいた頃の立体機動の訓練を思い出してしまい、思わず赤面した。
(仮にも調査兵団なのにぃっ)
焦れば焦るほどは渡る距離が短くなる。リヴァイは他の者には鋼鉄ロープの上でのジャンピングや果ては縄跳びを練習させた。
各自が鋼鉄ロープの上での練習に必死になっている。
傍から見れば正しく曲芸のように見えるがバランス感覚や体幹能力向上には最適な練習だった。