第7章 精鋭たち
「ペトラ、ご苦労だった。ここから先のは俺が受け持つ。訓練に戻るがいい。」
「はっ!」
そう言ってペトラは馬を走らせるとどこかへと行ってしまった。
「さて…ここからがお前にとっては本番だ。」
「私にはまだあのような動きは出来ません。」
「だろーな、最初からそれは要求するつもりはない。」
リヴァイはフンというと市街地を模した訓練場の一角を指さしてにこう告げた。
「今からあの屋根のてっぺんへ上れ。馬は止めたままでいい。」
「あ、あの…私。馬に乗りながらはやったことはありません。」
「あ?やれってんだから、やれ。最初はどうするんだ?」
「ガスを噴射すると同時にアンカーを打ち込みアンカーの張力とガスの噴出力で上ります。」
「分かってんじゃーねーか。やれ。」
そう言われては覚悟を決めた。
「行きます!」
そう言ってガスを噴出しアンカーを打ち込み、上ったが…
「あっ!うわっ!」
屋根に上った時にバランスを崩して危うく転落しかけるところであったが、
そこは素早くリヴァイが動きを抱き留めた。
「あっ…」
「チッ、バランス崩しやがって。しかしまぁ、初めてにしては合格点だ。ここに上れただけでも良しとする。次は降下だ。」
こうして練習していくうちに次第にはリヴァイの手を離れても建物の上り下りをすることが出来るようになった。
そして5時の鐘が鳴る頃、訓練は終了した。
は汗だくですぐに着替えたいと思った時である。
ペトラが再びやってきた。
「お疲れさま、。頑張って訓練してたね!はい、これ着替え。朝着替えた物ができあがったから。シャワー浴びて夕食にしよう。」
ペトラはとても気が利く女兵士だった。
「ペトラさんありがとうございます。」
はペトラの笑顔を見るとホッとする。
「リヴァイ兵長もずいぶんとに手荒い教育するんだね。」
「見てらしたんですか?」
「ええ。私はまた別の訓練だったけど、が何度も屋根を上り下りしているのは見えたわ。普通の学年の段階ではまだ馬上でもやらないし、せいぜい地上からのアンカリングとガス噴射で上る程度だものね」