第6章 調査兵団
「だから午前中は寝てろ。」
「はい。」
「いい子だ。」
そう言うとリヴァイはの頭をくしゃくしゃと撫でる。このやりとりに周囲の兵士たちは目を丸くする。
(((あのリヴァイ兵長が?の頭を撫でた!)))
調査兵団でもは“リヴァイの秘蔵っ子”と噂されていたが、公に表されたことになる。
「あの…兵長、って子は。」
「あ?訓練兵団のガキだ。頭はキレるが技能面がまるでダメだ。だから俺が教えている。まぁ頭の程度はお前たちよりも格段に上だ。何せ訓練兵団始まって以来の座学トップだ」
「そ…そうでしたか。どーりで…。」
「将来、このガキは調査兵団のブレーンとなる。」
周囲の兵士たちはそれを聞いて納得する。なぜ、リヴァイやエルヴィンがを優遇するのか兵士たちは謎であったが。ここで兵士たちはの必要性を理解した。
「ちなみに前以て警告しておくが、万が一にもコイツに手ぇでも出してみろ。俺に手を出したと見なす。」
調査兵団と言えども不埒な者がいないというわけではない。ましてやリヴァイは女子兵士にも憧れの的だ。嫉妬からに手出しをしかねない。あらかじめ、リヴァイは先手を打って牽制をした。
「さて…朝食は終わりだ、お前は俺の部屋で休息しろ。その他の者は定刻通りに訓練に入れ」
「はっ!」
リヴァイの号令に一斉に皆が従う。はその迫力に圧倒されると同時に自分が教えを請うている人物がいかに大きな力を持っているかを身をもって知る。
「、お前はこっちだ。」
「はいっ」
リヴァイの後をちょこちょこと慌てて追いかけるを見て、兵士たちはまるでリヴァイとが教師と生徒のような関係に思えたという。
「さて、。お前にも言っておくが俺が来るまではクソ以外はこの部屋から出るな。いいな?」
「はい、リヴァイ兵長。」
「ほぅ、俺を名前で呼ぶようになったか。」
「皆がそうしていたので。」
それを聞いてリヴァイは小さく笑うと部屋を後にした。