【Harry Potter】 Missing Heart
第2章 戸惑い
戸惑い
「さて・・・どうしたらよいものか。。。。」
思わぬ大幅な人事異動と純粋なマグル界育ちの成人女性を受け入れるに当たってスネイプは頭を抱えた。
「・・・確かに、純粋なマグル界育ちがこのホグワーツに来たら廊下を歩くだけでも無事では済まないだろう。」
彼の頭の中はホグワーツに来たときの記憶に戻った。それは決して愉快な記憶だけとは限らない。まず、彼の脳裏に浮かんだのは魔法界に育った子供たちのいたずらの度がマグルの世界とは違うことに戸惑った。
「クソ爆弾にゲーゲートローチ・・・少し考えただけでもマグルの世界ではテロや薬物などの取り締まりの対象になりそうな代物だ。こちらではオモチャでもだ。」
そして更に記憶を巡らせると電気を生活の基盤としているマグルの生活とホグワーツでの生活の違いを改めて検証してみると愕然とする。
「・・・・・・シャワーの使い方・トイレの使い方、明かりの付け方や消し方も全く違う。食事はまぁ同じだが。」
考えれば考えるほど彼の中で混乱が最初は静かに、しかし次第に大きくなっていった。そして自分とこれから来る女性との決定的な違いに気づいたのだ。
「私は子供だったからマグルの世界から魔法界に適応できたのだ。」
スネイプは成人後にこの魔法界に放り込まれたと想定するとぞっとした。
「しかしやらねばならない。」
先の大戦を乗り越えた後にやってきた突然降って沸いた難局に暫く忘却のかなたにあった意識が静かに覚醒していく。
(あのDrの娘か・・・)
正直、彼は逃げ出したくなるくらいの困難感を感じていた。
(命の危険はないが・・・ある意味ではあのハリーポッターを守るよりももっと難儀だ。)
あのダンブルドアがホグワーツの業務を全て投げ打ってでもの面倒を見ろというのかという事の困難さをひしひしと感じていた。
そして”Personal Seat”と赤文字の判で押された魔法省よりの・に関する資料に目を通す。