第5章 ジェットコースター・ラブ【S×N】
翔くんが集団から離れ、
俺の手首を掴んで、
廊下の人気のない場所の壁際まで
歩いて行く。
そして、俺の頭の横に手をついて…
(いわゆる、これ、壁ドンってヤツですよね?)
「俺今日、このホテルに部屋とってるんだ。
ニノも、来いよ!」
「えっ?来いって…
言っても…俺…」
歯切れの悪い俺に、
ちょっと悪い顔で笑った彼は、
耳元で、こう囁いた。
「相葉から、聞いてたよ。
ニノが、俺のこと好きだった…って。
もう、逃がさないから♪」
(相葉め~!!あいつ、後で、ぶん殴ってやる!!)
「でも、翔くん…あのさ…俺…」
あまりの展開に、
停止する思考回路…
もう、しどろもどろで…
「やっと、捕まえた。
もう逃がさない。
大好きだよ…あの頃から、ずっとね♪」
…翔くんの唇が、俺の唇をふさいだ。
…この晩、
俺は翔くんのものになった。
人生も、恋も、ジェットコースターだ。
何が起きるか、分からない
そう、誰にも。
-end-