第2章 ジェラシーウルフ【M×S】
いったい何度、イカされたんだろ?
許してくれって懇願しても、
聞き入れてくれなくて…
何度も…何度も…
『全く…どんだけ絶倫なんだよ…』
意識を手放す直前、
そう言ったのか、思っただけなのか…
もうよく分からなかった
いつも以上に、
怒っている時はこうなるんだ…
萎えることを知らない高校生みたいに。
どんな強壮剤飲んだって、
こんな風にはならない…
…なれないだろう、きっと。
潤の『ジェラシー』という得体のしれない感情が、絶大なパワーとなって俺の身体を蹂躙し続けるんだ
「…う…くん…」
「…しょう…くん…」
耳に心地いい、優しい声に
深い眠りの底から、徐々に浮上する
「翔くん…もう起きないと…」
「…んん~…何時?…」
「10時半」
「10時半…迎え、何時だっけ~?」
「11時半」
「水…ちょうだい…」
「水ね、分かった、待っててね!」
バタバタと走る、潤の足音が部屋を出ていき、直ぐに戻って来た。
「はい、どうぞ」
「…ん…ありがと」
俺の身体を、しっかりさ支えて起こしてくれる潤は、甲斐甲斐しい若奥さんのよう…
乾ききった身体に、潤の水がしみこんでいく
ちゃんと常温だ。
ああ、生き返ったかも。
10時半ってことは、あと1時間か…
そうだよな、もう起きなきゃ…間に合わない…
風呂にも入らなきゃだし。
でも…
「潤…来て~♡」
「ん」
俺の隣で困った顔してあたふたしていた潤が、
俺をしっかりと抱き留めて、胸の中に仕舞いこむ
あああ、幸せ♡