第1章 仰せのままに…【S×M】
「翔くん…」
「え??」
それまでの甘い雰囲気を一掃してしまうような俺の低めの声に、翔くんは目を丸くして固まった
手に、使用後のゴムをぶら下げたままで…
イケメン台無しの、その間抜けな表情///普通なら笑うところだろうけど…
何しろ俺、怒ってるからね!!
「なっ、何だよ…」
さっきまでの圧倒的な征服者然とした彼とは、別人のようにおどおどした翔くん
そんな彼に、俺は言ってやった!
「どうして生でシテくれなかったの??
そんなの被せていいって、誰が言った??」
「ふえっ??」
どんぐりお目目で、俺と手にした先に不透明の液体を湛えた避妊具を見比べる
「俺は…俺は、翔くんを直に感じたかったの!俺が、『これが翔くんなんだぁ~♡』って、痛みに耐えて感動していたのにさ…そんな奴に邪魔されてたなんて///」
「じゅん…」
俺の言葉をじっと聞いていた翔くんは、少しずつ理解した、って表情に変わり、
「…黙って付けたのは悪かったよ…潤がそんな気持ちでいてくれたなんて…分かってなくて、ごめんね…」
そうだよ!!
翔くんは全然分かってない!!(-_-;)
「俺、生でシたって、絶対妊娠なんかしないのに…残念だけどさ…
だから、そんなの被せてから入って来るなんて、思っても無かったのに…」
少し微笑んで、ゴムの口を縛りながら、翔くんは言う
「悪かったよ…でもね、中に出したら、潤が腹壊すかと思って…終わってから、直ぐに中掻き出すようなことしないで、余韻を楽しんで抱き締め合えるって思って…だからさ…」
翔くん…(´;ω;`)
そんなこと考えてくれてたのか…
俺の腹の事も…
そんなの知らなかった…中に出しても妊娠しないから、生だししてもいいって…
そんな風にしか思ってなかった…