第24章 IN THE SUMMER【S×A×N】
「だから…俺ともつきあってよ…3人で仲良く楽しくやっていこうよ♡」
仲良く…
楽しく……
そんなこと…簡単に言うけど…
「翔ちゃんが、ニノの事気に入ってて…
俺も、そんな翔ちゃんと一緒にニノを見ているうちに、好きになったんだ…」
………
『好きな人は一人』って
そう思ってる俺は、古い人間なのかな?
「ニノ…俺たちの恋人になって…」
翔さんが、そう言いながらベッドに片膝をついて俺に向かって手を伸ばした。
えっ??
そ、そんなこと…急に言われたって…
「ニノ…俺のことも、よく見て…好きになって…」
相葉さんも、翔さんと同じように俺に右手を差し出した。
……なんか俺、お姫様にでもなったみたいだ…
こんなパニック過ぎる状況の中で、俺は自分のことをそんな風に客観視していた。
ふたりの王子様に求愛される姫……
……いや。
そんなこと言ってる場合じゃない。
俺、どうしたらいいのかな?
『ごめんなさい』したら…
ふたりは今まで通りに、二人で仲良く付き合っていくんだろう…
俺は普通の後輩のままで、
ふたりが3年生になって、キャンパスが変わったら、もう逢うことも無くなるんだ…
逢うことも…
なくなる……
そんなの、ヤダよ…
ふたりの特別になれないまま…
別の人を好きになれるなんて、
そんなことできない…
「よろしく、お願いします…」
「「ニノ!!」」
ふたりの手を握ると、翔さんと相葉さんは嬉しそうに立ち上がった。
「いいの?」
「付き合ってくれるんだね~?」
その迫力に、思わず、
「まずは…友達から…」
と答えていた。