第24章 IN THE SUMMER【S×A×N】
渡された黄色のビブスを被って準備完了。
芝生広場にいる家族連れなんかが注目していて少し恥ずかしい。
仕切る翔さんの横顔を見ると、そう言うのにはもう慣れっこなんだろう…凛としたいつもと変わらぬ美しさだ。
「じゃ、雅紀、準備はいい~?」
「お~けい!!じゃいくよ~?よーい、スタート!!」
相葉さんの掛け声で、一斉に散っていく黄色と赤の面々。
1年生が黄色で、二年生が赤。
鬼の相葉さんは緑のビブスをそれぞれ着ている。
日曜日の公園。
相葉さんの掛け声で、派手な格好の大学生たちが、一斉に散らばっていった。
取りあえず走り出しては見たものの…
どこに隠れればいいんだろう?
かくれんぼなんて、最後にやったのはいつだっけ?
翔さんに憧れて入会を決めた。
別にかくれんぼに興味があったわけでも、やりたかったわけでもない。
だけど………
ちょっとワクワクするかも♪
トイレの横を通り過ぎ、芝生の広場を横切る。
いざとなると隠れるところって、たくさんあるようで、ないことに気づく。
どこに隠れても見つかってしまいそうになるんだ。
ワクワクは、ドキドキに変わる。
自分が探すなら、こんなとこ絶対見つけるだろう…
ここも…
ここだって見る…
そう思いだすと、どこに隠れたらいいのか分からなくなってしまって……
俺は走り回って隠れる場所を探し回って…
……疲れた……
とりあえず、あそこに隠れよっか…
俺は、広場の隅にある東屋の裏に回って腰を下ろした。