第18章 お気に召すまま【S×A】
夢にまで見た……
俺の下で、しなやかな身体が躍る。
初めて…
最愛の人を、この腕に抱くことができた。
ずっとずっと欲しくて欲しくて堪らなかった。
…もう、このまま死んでしまっても構わない。
「翔…愛してるよ」
「俺も、愛してる…まー…」
ただ夢中で…
気持ちを確かめ合い、繋がり合う行為に、俺たちは酔いしれた。
ことが済んだ後。
俺たちはシーツの海で、抱き合っている。
……執事としては、失格だ。
でも…
「翔…これからもずっと、俺だけの執事でいてね」
「嫌だと言っても離れませんよ」
「ずっとずっと、翔とこうしたかったんだ…分かってたでしょ?俺の気持ち…」
「はい…だから怖かった。歯止めが利かなくなることが、分かってましたから…」
もう、気持ちを殺さなくてもいい。
一番近くて、一番遠かった人を手に入れた……
「ねえ、翔。いつから俺のこと、好きだったの?」
「それは……初めて会った日からです」
「僕、雅紀。君は?」
「櫻井翔です。よろしくね!雅紀」
《end》