第17章 僕の小さな管理人【O×S】
この日から1ヶ月後。
智と新しい部屋で一緒に暮らし始めた。
智は相変わらず忙しく、一緒に居ても、満足に話もできないこともあるけど。
それでも、彼の猫背を見てるだけで
俺は幸せだった。
そして、智は魔法を使わなくなった。
「じゃ、いってきます」
「あ、待って!翔〜」
「いってらっしゃい…チュッ❤」
なんか、テレる(*ノωノ)
「いってきます…」
赤くなりながら、俺はドアを後ろ手に閉めた。
小さな智のお蔭で、俺たちは距離を縮めることができたのかもしれない。
あいつが居なかったら、俺たちはまだきっと、あのままだった。
どこか遠慮があって、
よそよそしいまま…
一緒に居られる幸せ…
それを小さい彼がくれたんだ。
電車の中、俺はそっと胸の内ポケットを覗いた。
今にも、あいつが顔を出しそうで。
見張られてるときは、いなくなればいいって思うこともあったけど。
もう二度と、彼がこっそり可愛い手で俺をつねることもない…
ニヤニヤしてたって、お仕置きされることもない…
何だか…
涙が出そうだった。
……ありがとう
僕の小さな管理人……
さよなら……
僕の小さな恋人
【 END 】