第12章 遠花火 【O×S】
「翔くん、欲しい…」
「…花火、終わったらね…」
「ダメ!もう我慢できないもん❤」
言うが早いか、彼の手は、
俺のシャツの下に滑り込んで、
的確に敏感な粒を弾いた。
「…ぁぁ…」
もうこうなると彼は止まらない。
花火の音に煽られるように、
智くんはベランダで俺の服を剥いでいく。
誰にも見られないと分かっていても、
外で、っていうのが恥ずかしい。
「ねぇ…智、中、入ろうよ…」
「大丈夫~♪翔くんは花火見ててよ…」
「…もう〜……」
こうして。
遠くの空をスターマインが染める中、
智くんの上に跨がった俺は、
いつもの様に快楽の縁まで連れてかれる。
汗ばんだ肌を撫でる夜風が心地いい。
花火大会の終わりを告げる合図のような、
大輪の花が夜空を焦がし、
遅れて一際大きな音が届くとき、
俺と智くんは一緒に果てた。
「もう!これじゃ、花火なんか
殆ど見てないじゃん!」
ちょっとふくれた俺に、
「そんなことないよ。翔くんの目に映ってたの
ずっと見てたからね♪」
……智くん
このままもっと、
君に夢中にさせてね..
───アイシテルよ❤
【end】