第12章 遠花火 【O×S】
逸る気持ちを抑えてチャイムを押すと、
………反応なし。
仕方ないから、カードを差し込んで、
部屋の中に。
薄暗いリビングルームの向こう、
テラスに人影が……
「智くん……」
声を掛けると、彼はにっこり眉を下げて振り返り、
「翔くん!早く~!始まっちゃうでしょ///」
俺は荷物を置いて彼の隣に。
すると智くんは、俺にぎゅっと抱きついて、
「翔くん、ありがと♪
俺、すっげ~楽しみだったんだ」
耳元でそう言ってから、そのまま耳にキスをした。
彼からはほんのりワインの香りがした。
……もう(≧▽≦)
なんでそんなことすんのよ…
…俺の心臓鷲掴みするその技!
俺がお返しのちゅうをしようとした、
その瞬間『ドーン!』
慌ててその方向を見ると、何もなく…
「あれ~?」
首を傾げる智くんに、
「音は遅れて届くからね…
近いとこ探したんだけど…ごめんね」
すると智くんは、
「じゃあ、今度はちゃんと見なきゃ!
翔くん、ここ、一緒に座ろ♪」
そこには長椅子と
テーブルには、グラスが二つ並べてあり。
それだけでさ、
何か、エロいんですけど……